「美人」と「香」の歴史は
切っては切り離せません。
「世界三大美人」(→諸説ありますが)
のひとり、楊貴妃と「香」にも
興味深いエピソードがたくさんあります。
政治をおろそかにしてしまうほど
楊貴妃を寵愛したのが
かの、唐の玄宗皇帝。
そのことから楊貴妃は
「傾国の美女」とも呼ばれていますね。
そんな歴史に残る
魅力に満ちた楊貴妃ですが
実は・・・
(鈴木春信 「玄宗皇帝楊貴妃図」 MOA美術館)
とても、とても
体臭がきつかったのだそう。
その美貌に加えて
気配り上手で
歌や踊りや音楽にも長けていた
誰もが認める美人、楊貴妃が
その体臭をカバーするために
纏った香り。
それは
「麝香(じゃこう)」
香水で知られる
「ムスク」という方が
みなさんに馴染み深いですね。
「麝香」は動物性の香料で
麝香鹿のオスの香嚢から採取する
分泌物(フェロモン)のこと。
古くから大変希少な香料として
また、その強力な滋養強壮作用で
高級生薬として用いられています。
しかし現在では
ワシントン条約で
商業取引は禁止され
香水やお香の原料としては
合成麝香がほとんどです。
単体で香ると、お世辞にも
「いい香り」とは言いがたい
強烈な芳香ですが
麝香を薄めて調合の際に用いると
まるで魔法のように
艶やかな美しい香りに
纏め上がるのです!!!
ちなみに豊潤な香りと味わいで
皆さんご存知「マスクメロン」の
「マスク」の由来は「ムスク」から。
楊貴妃の体臭と「麝香」の
官能的な香りが合わさって
彼女の魅力がさらに引き立ち
ますます人々を虜にしたそうですよ。
今後開催の
「お香」レッスンでは
調合の際に
「麝香」の魔法を
体感していただけます。
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