お香の原料には
「沈香や白檀」といった香木の他にも
古来から生薬としても珍重されてきた
植物性&動物性の原料がいくつもあります。
その中でも、日本で古くから愛されてきたのが
「甘松(かんしょう)」という
オミナエシ科の草木の根の部分。
「松」とつきますが日本でもよく見かける
あの「松」とは、全く違った植物です。
蓋を開けると・・・・・
動物のような、ワンコの肉球のような
決していい香り〜!とは言い難い
独特の重厚感のある香りです。
この「甘松」。平安時代から伝えられる
古典的調合にもよく登場し、うまく調合に加えると
全体に奥行きや、余韻、深みが出て
なかなか良い仕事をするのです。
「甘松」の癖を、もっと強くしたのが
同じオミナエシ科の香原料である
「吉草根(きっそうこん)」。
なんとこの「吉草根」は
「イソ吉草酸」という
特定悪臭成分にまで認定されるほどの強烈さ。
アロマやハーブに詳しい方でしたら
「バレリアン」をご存知かと思います。
睡眠改善、ヒステリーの鎮静、精神安定
深いリラックス効果で有名なハーブです。
実は、この「バレリアン」の正体が
「吉草根」なのです。
この世にも強烈な香りも
上手に調合に取り入れることで
奥行きや余韻のある深い香りに纏め上がります。
「甘松」や「吉草根」については
詳しくレクチャーさせていただきますね。