「洗心(せんしん)」という言葉を
ご存知でしょうか。
読んで字のごとく
「心を洗う」という意味で
中国の古典『易教』の
「聖人以此洗心
(聖人は此を以って心を洗う)」
からきている禅語です。
海を越えて、ドイツより
美しい女性(クラヴィター三智様)が
塗香調合のレッスンにお越しくださいました。
ご結婚を機にドイツに移住され
ご自身の学びのブラッシュアップのために
久々に帰国された貴重なお時間の合間を縫って
レッスンを受講してくださいました。
以前、日独同時開催
「オンライン美人塾」の「香り」担当で
講師を努めさせていただいたこともあり
リアルにお会いできるのを
心待ちにしておりました。
香原料を前に
無心で調合されているお姿を拝見し
「洗心」という言葉が、ふと浮かびました。
「お香」の歴史をたどると
「禅」とも関わりが深いのですが
いにしえの人々も
芳しく、澄んだ「香」を前に
心の塵を払い、清め
心をととのえていました。
三智様の、美しく無駄のない所作や佇まいは
その根っこに宿るお心の清らかさと
内外ともに精錬されてきた美意識を映し出し
そんなお姿にも、心洗われるようでした。
長く日本を離れることで
沈香や白檀などの香木や香原料の織りなす
「和」を象徴する香りの調合が
より、心に染み渡っておられたようです。
「香」が紡いでくれたご縁に
心より感謝いたします。
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