「白檀」の香りを聞くが如く。

「香」の世界では

香りを「嗅ぐ」ではなく、香りを「聞く」といいます。

「白檀」といえば、「沈香」とともに

お香の世界では欠かせない、高級香木。

最高級とされる老山白檀(インド・マイソール産)は

ワシントン条約で、取引が禁止され

入所困難な、大変希少な存在です。

古来より、その優美で高貴な香りは

解熱や毒腫の生薬として

香水の原料として

また、浄めや、仏様へのお供えとして

世界中の人々の心をとらえてきました。

アロマの世界では

白檀は「サンダルウッド」としておなじみですね。

免疫力を高め、精神に落ち着きをもたらし

瞑想向きの、静寂の香りながら

時には、セクシャルな気分へと誘う媚薬として

懐深い魅力をもつ「白檀」。

私にとって、「白檀」は心の調律や浄めの際に

そっと寄り添ってくれる長年の親友のような存在。

先日は、念願だった、箱根強羅「白檀」を訪れました。

こじんまりと気品溢れる「白檀」は

箱根強羅の山間に静かに佇むお宿。

チェックインをしながら

抹茶とお菓子をいただき、気持ちがほころびます。

気高く優美な香りがちょうどよく薫きしめられ

押し付けがましくない「おもてなし」を感じます。

「香炉」がそこかしこに。

大変珍しいことに

各部屋に「電子香炉」が供えてあり

四季折々の香りを楽しむ「印香」や

白檀の香りを聞くことができるのです。

(↑松栄堂さんの「姫の香」という印香。私も愛用しています)

ちなみに、私はちゃっかり

「My沈香」セットと「My電子香炉」も持参。笑

無駄のない静謐なしつらえのお部屋ごとに

白檀と沈香の2種類を薫きしめて

まるで平安時代のお姫様のような気分に浸りました。笑

すぐそばの樹々に手が届きそうな

源泉掛け流しの露天風呂。

芯から温まるとともに

しらずしらずに溜まっていた

心身の淀みが、そっと洗い流される感じ。

地元の幸を中心とし

日本各地の厳選素材が織りなすお料理も

自然な彩りが美しく

奥ゆかしくも、心から満たされるお品ばかりでした。

臼でこねるように、優しく練り上げた

オリジナルの和菓子。

その上品な優しい口どけに、心もとろけました。

暖炉の炎の揺らめきをぼんやり眺めながら

パチパチと燃え盛る音と

体の芯まで包み込むような暖かさに身を委ね

くつろぎの滞在でした。

「香り」=私たちの「記憶」と

密接に関わりあっています。

偶然にも「香」というお部屋に滞在できました。

〜白檀の香りを聞くが如く〜

古の人々は、何を想い「香りを聞く」と

表現したのでしょう。

日本人の繊細でたおやかな感性を

改めて、誇らしく感じつつ、、、

「白檀」の懐深い優しいしつらえに

また訪れたくなる香り高いお宿でした。

箱根強羅 白檀