新月は、塗香とともに。

「お香が好き」
「お香のこと、もっと知りたい」

そんな女性はきっと
「月の満ち欠け」を
心の片隅に意識して
お過ごしの方も
多いことでしょう。

今日、2021年6月10日の夜
新月を迎えます。

新しいサイクルの始まりに
「塗香」でこころとからだを
清めてみてはいかがでしょう。

「お香」というと
火をつけて薫じるお香を
イメージされる方が
多いと思います。

「塗香」は
とても細かい粉末の香原料を
手のひらで擦り合わせて
手首や首筋に塗って使う
「お香」の一種。

「香りを楽しむ」というより
本来「身を清める」ために用いたお香です。

香を体に塗る「塗香」。
そのルーツは驚くほど古く
日本に「香」が伝わった
仏教伝来遥か以前にまで遡ります。

「体に塗るお香」は
中東では「香油」と呼ばれ
油に香料を漬け込んだものを体に塗り
医療や暮らしに役立てていました。

マグダラのマリアが
イエスの足に塗った
「香油」のエピソードを
ご存知の方も多いでしょう。

しかし「仏教伝来」とともに
「香」が伝わった日本においては
装飾的な意味合いの強い
「香油」は用いず
穢れを払う、お清めの作法として
「塗香」が用いられました。

ちなみに、写真の塗香は
私が調合し
お気に入りの容器にいれたもの。

白檀をメインにし
スパイス系の香原料と
調合しています。

「夏の香」とも呼ばれる白檀の
涼感あるテクスチャーや
手首や首筋から、ほんのりと
奥ゆかしく香る加減も
とても気に入っています。

日本で塗香に触れた外国人からは
「sacred incense」と呼ばれ

その神秘的で聖なる香りに
魅了される方も多いとか。


新月。
こころとからだを清め
香りに祈りを託し
心安らかな夜を。